中華街へ         T 


― エドワード海外撮影ロケ隊 ―

山西省 佛教聖地巡礼 U

すばる & ジャック & PLEIADES & エドワード


2007 9/19 〜 9/26



5日目 9月23日   *** 五台山 ⇒ 平遥 *** 

【 祁県(きけん)・喬家大院(きょうけだいいん) 】

S 今日は清代の大商人のお屋敷見学ね♪

J はい。祁県にある『喬家大院』と呼ばれる大邸宅です。
  現在はその邸宅を祁県民俗博物館として公開されています。

P エドワード君、その衣装似合ってるわ。
  清朝のお貴族様みたい♪

E そういう衣装を選んだんだヨ。大邸宅にお邪魔するんだから当然ダロウ?(笑)


喬家大院(祁県民俗博物館)

S 窓飾りや柱、梁、屋根、もう細部まで彫刻がされているし、建築美術を詰め込んでいる感じね。
  どのお部屋も格調高くて素敵!
  冬も床はオンドルになっていてとても温かいお部屋だったんですって!

J 時代劇でも使われていたんですよ。
  ここは中国映画で有名な『紅夢』の撮影現場でしたから、その観光客も多いです。

E コン・リーが主演の映画だネ。町の看板にもよく映画のシーンの写真が使われてタヨ。

P なるほど。だからお屋敷中、映画にあったように赤いちょうちんがたくさんぶら下がってるのね。

J ちょっとやりすぎかなって感じもしますけどね。(苦笑)





【移動中の車窓から・・・・・】

P ペットが増えたのかしら?
  家畜というより犬や猫をやたらよく見かけるようになったと思わない?

E そういえば、犬と猫と両方一緒に玄関先に座ってるのをよく見ルネ。

J 確かに。それも喧嘩せず仲良く・・というか互いに我関せずなのかもしれませんが・・
  ペアでいること多かったですね。 あれは絶対愛玩用ですよ。

S 移動中、色々な動物が見られるのも中国ツアーの醍醐味ね。
  馬やロバ、羊やヤギの群れとかも車窓でよく見るけど、
  高速移動中とかだと写真に取るのが難しいのよね。残念〜!
 
お家の前でちまっとお座りのワン・ニャンちゃんたち。

お行儀◎です。

首輪もリードもつけてませんが、どこのうちの子かちゃんと
周りの皆さんはご存知のようでした。

 
こちらはニワトリさんたちに 羊の親子


五台山でよく見かけた鳥さん。

カラスの種類だそうですが、とても綺麗な声で鳴きます。








6日目 9月24日  *** 世界遺産・平遥古城 *** 


J 昴お嬢様、16年ぶりの平遥
(へいよう)古城、いかがでございますか?

S ・・・・・・・うっそ〜〜っ!!(驚愕) どこですか?ここは・・・本当に平遥?(絶句)

P 世界遺産に指定されてから随分整備されたって聞いていたけど、
  なんじゃこりゃ?ってくらい違うんじゃない?

S だいたいこんなに舗装されてる道なんてなかったし。城壁の外はぜーんぶ畑だったのよ。
  これでもかっていうくらい昔のままの城郭が残っていた静かな「古城」だったの。
  現代のものが一切なくてね。こんなみやげ物商店街やホテルのネオンもなんにもなかったの。
  城内・・・・・・電気自動車まで走ってるし・・・・・・(たら〜っ)

J 昔のままの城郭だったゆえに『世界遺産』になったんですけどね。
  指定されてしまうと、どうしても観光用にテーマパーク化してしまうのが世の常です。
  でもそれでここの人々が以前よりずっと豊かに潤っているわけですから、悪い事とも言えません。

  
世界遺産・平遥古城 町を取り囲む壮大な城壁が四方完全に残っている城郭都市。
昔の素朴だった町の姿を知ってるだけに、・・・スーパー大売出しのようなアドバルーンを見た時は結構衝撃でした。


S そりゃあ、にぎやかになったのは嬉しいけど・・・ あのタイムスリップ感が薄れたのは残念だわ。

J 本当に過去に迷い込んだかのような感じがありましたからね。確かに。

E それでも町の骨格は良く残っている方じゃないカナ。
  特に城壁は、ほぼ完全に残っているだけにヤッパリ迫力があってスゴイヨ!

S そうね。明代の遺構が綺麗に残っているのは、本当にすごいことよ。
  昔の中国の城郭都市がどんなものだったかを初めて理解したのがこの町だったし。
  実際に目で見ることができる過去の姿にとても感動した思い出の場所。
  良い方向で趣きのある保存をされるといいわね。


ちょっと路地を入ると、地元の方が昔からの家で普通に生活をしておられますので、生きた歴史の風景を見ることができます。








【 世界遺産 双林寺 】            

E へェ・・・! スゴイ数の塑像群だネ!

J 総数2000体以上あるそうですよ。
  双林寺の塑像は生きているかのような息遣いが感じられる素晴らしいものばかりです。

S それはそうだけど・・・なんなのこの鉄柵!
  いくら国宝だからってこの保管状況はあんまりだわ!

P ほんとよ!まるで牢獄にはいっているみたいじゃない!
  仏さまがかわいそう!
  なんでまたこんな状況になってるのよ?

J 仏像を盗んでいく泥棒が実際多いんでしょうね。。
  昔はすぐ目の前まで行ってご尊顔を拝めたものですが・・
  なんともはや・・とても残念ですね。

E 無粋ダネ。いくら文物保護とはいえ、檻にいれないと
  守れないほど人の心ってすさんでいるのカナ?
  そんな人の姿が見えて・・悲しくて寒々しいネ。

双林寺・羅漢像

こちらは昴の大好きな双林寺塑像の一つです。

双林寺の塑像は
 
現在全て檻の中にあります。(涙)
鉄柵にすがりついて中の仏さまを遠くに拝むしか拝見する術はありません。

・・・・あぅっ なんだか悲しいわ・・・・(号泣)




【 世界遺産 鎮国寺 】

P まあああ!! バラよ!バラ!!一面真っ赤なバラの海!!!

S これしかもコウシンバラじゃない!!中国原産のオールドローズ! うわぁ・・なんて素敵!

J こちらは鎮国寺。五代十国時代に建てられたお寺で、ここも世界遺産に指定されています。
  これはほんとうに雅なお庭でございますね。
  薔薇に埋め尽くされたお庭の先にふとあらわれる小さなお寺・・・素晴らしく風流ですよ♪

 

E このお寺の塑像も見事ダッタネ。 ふっくらとしたお顔の仏さまが印象的だったヨ。

J 建物の内部にあるお釈迦様の故事を描いた明代壁画は有名で、保存状態も良いので
  とても貴重なのですよ。

P しっとりとしたいいお寺だわ。おだやかで静かだし。
  時間があればのんびりほっこり過ごしていたいわね。
 
鎮国寺にて








【 霊石 王家大院 】

P 次は山西商人の大豪邸、『王家大院』よね♪
  なんだか「王家」っていう名前だけで胸がときめくわ♪

S ばかね。漫画の「王家」とは違うわよ。『王さんという人の家』なんだから。(笑)

P 分かっているわよ。でも豪邸には違いないんでしょう?

J 豪邸・・・というか・・・・・まぁ、百聞は一見にしかず・・です。

P ??

J こちらなんですけどね。ここから向こうの見える限りの屋根まで全部が王さん宅です。
  ・・・・いかがです?

P ・・・い、家・・・って・・・・ (絶句)




E (口笛 ひゅ〜うっ!) 豪快!『家』って言うより、もう『城砦都市』ダネ!

S う、噂には聞いていたけど・・・果てしないわねぇ(苦笑)
  これでも
『一軒家』なのよね。一応。
  あきれるほど広いし、部屋の数もハンパないんじゃないんでしょう?

J 15万uの敷地面積だそうですよ。
  かつては使用人を含めて2000人を越える家人が暮らしていて、800を越える部屋数があって・・・
  現在も26代目の王さんが居住しているそうです。

P ええええっ!! 現在進行形で私邸なのっ??!!

J だそうですよ。 かの西太后も宿泊したとか。

S ・・・・各部屋どれもこれもものすごく贅沢なのよね。屋根こそ瑠璃瓦じゃないけれど
  格調高さは宮殿にひけを取らないほどよ。西太后が泊まるのもなっとくだわ。

E ・・・住んでみたいと思ウカイ?

J 掃除が追いつかないでしょうから御免こうむりますね。(苦笑)
王家大院は数え切れないほどの建物がみな贅を凝らした素晴らしい装飾を備えています。

各家屋の2階は嫁入り前の令嬢達のお部屋になっていて男子禁制だったとか。深窓の姫君のいらっしゃる部屋は窓の細工も花模様や草木模様で彩られとても華やかです。





7日目 9月25日 中秋節  *** 太原 ***   

【 天龍山石窟 】

J さあ、天龍山国立森林公園につきましたよ。

E 見晴らし良くて、いいながめだね〜♪ (ごきげん) 

P 空気が美味しい。
  鳥たちの声が静かな山に響いていてとっても気持ちがいいわ。
天龍山

山頂に巨大な石仏が楼閣に守られて残っています。
自然が豊かで松などの針葉樹林が多く、
野の草花が心を和ませます。

非常に歩きやすいハイキングコースが整備されています。

J かつては皇帝の避暑地だったところだそうです。
  佛教石窟もたくさん彫られていたのですが、近年までその存在すら知られていなかったんです。
  再発見されたのは戦前・・大正時代だったかな?あまり記憶が定かではありませんが・・・。
  日本の美術商が片田舎で見つかったこの石窟のことを聞きつけ、かたっぱしから持ち去り
  売りさばいたのだとか・・・。だからここの石窟はほとんど空っぽです。
  東京国立博物館や大阪市立美術館にもその時に持ち帰った仏像が所蔵されていて、
  常設展で見ることができますよ。

S 今ここに残っている石仏は、大きすぎてどうしても切り取るのは無理ということで
  持ち去るのをあきらめたんですって。

E 現場になくて、日本にあるっていうコト・・・ 結構よくアルよネ。
  破壊されてしまっタ場所に立つと、よけいに胸が痛むヨ。

S 博物館に所蔵されている石窟の仏像って、もとを考えるとそこにあること自体不自然なのよ。
  そりゃあ、埋まっていたとかお寺が焼けたから収蔵されているっていうのもあるけど・・・。
  顔だけ切り取られているものは明らかに何かの経緯があるわね。

J 海を越えて各国に流出していった仏さまは、みんなそれぞれ波乱万丈な旅をしているんですよ。
  そう思って拝見すると、また胸にせまるものがございますね。




【 晋祠
(しんし) 】

J ちょうど天龍山を降りてきたふもとにある広大な祠です。
 古来清冽な湧き水が大量に湧き出している場所であり、
 今でもその豊かな水源を見ることが出来ますよ。

晋祠 聖母殿

晋祠の水源 『晋陽第一泉』


E ものすごい勢いで湧き出しテル!

P 水量がこんなに多いとその音も迫力ね。
  晋祠全体に流れる水路がまた清涼感があって、どの風景も素敵だわ。

S さすが水にゆかりがあるだけに、『龍』の装飾も多いわね。

J 3000年前から生えている古い柏の木もありますよ。
  清らかな水に老木・・この地への人々の信仰心の厚さも分かりますね。


晋祠の2本の老木 『周柏』

約3000年の樹齢といわれています。
これを拝むと長生きできるとか。。。






J 今日はちょうど『中秋節』。中秋の名月がみられる日ですね。
  おや、いい具合に綺麗なお月様が見えてきましたよ。


P 『月餅』食べなきゃ!月餅!!

J はいはい。(笑) 中国では家族みんなで月餅を食べる日なんですよね。
  日本でも月見団子をいただきますが、こちらでは結構大きな焼き菓子を切り分けていただきます。
  さぁ、どうぞ♪

直径・・・約60cm以上・・
超特大月餅(げっぺい)
外はさっくり中はあっさり 非常に美味しかったです!
P へっ!? や、やけに大きくない?!

E 普通のケーキの大きさより大きな直径じゃナイカ!!
  1コ手のひらサイズが通常ダロ?!

J 特注だそうですよ。
  ツアーのガイドさんがわたしたちの為に
  特別に注文してくださったそうです。

S 今までいろんな月餅食べてきたけど・
  こ〜んな巨大なのは初めてよ!(微笑)



J 今日が最後の夕食ですからね。おわかれパーティーでご馳走三昧だそうですよ。

S あー、もう明日帰国なのよね。名残惜しいわ。

E 山西省は「メン」が名物だけど、ホント最高に美味しかったネ。

P 思い残すことのないように、めいっぱいいただきましょうね。
  ではいざ、「いっただっきま〜す♪」

(山西省の『めん』いろいろ)
あれも

 これも
み〜んな

 メ ン ・ 麺 ♪
味付けは山西名産の黒酢が絶品。
あっさり塩味やトマトソース・お肉のソースなど
もGood!辛さはあまりありません。

とにかく小麦の地方なので、
メンや粉物がとってもおいしいのよ♪


E 楽しかったナァ。また来ようネ。

S もちろんよ♪ 中国でよければ何度でも。
  次の撮影旅行までにエドワード君の衣装新調しなくちゃね。

J あははは。がんばってください。
  では次の旅行を楽しみに。乾杯♪






 2007年9月26日 太原 ⇒ 北京経由 ⇒ 帰国

 帰国便から見えた日本上空での満月 
 とてもとても綺麗でした。






Photograph:SubaluTukishilo


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