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遣唐使たちの港・寧波(ニンポー) すばる & ジャック & PLEIADES & エドワード 2010 5/6 〜 5/11 ![]() |
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S 今回の行き先は寧波(ねいは)です。中国読みだと「ニンポー」ね。 日本にとって、中国の玄関港だった歴史的にとても関係の深い場所に行ってまいりました。 J そうですね。寧波といえば、何といっても「遣唐使」の上陸地。 今は上海が中国のゲートウェイですけれど、昔は寧波の方がメインゲートだったんですよ。 P それと、鑑真や最澄ゆかりの海に浮かぶ仏教聖地「普陀山(ふださん)」も。 中国仏教の4大聖地の一つであることでも有名よ。 E 海と湖とゆたかな緑・・・大都会の喧騒から少しはなれた寧波には優雅な別荘地も沢山あっテネ、 昔から多くの文人が居を構えたんだヨ。どこか時間と気持ちのゆったりとした風流な所だったネ。 |
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初日 5/6 晴れ 関空から 杭州(こうしゅう)へ
E アレ?ナイフとフォークが金属に戻ってるヨ。確か以前は全部プラスチックだったケド・・・ P そうだった?メニューは毎回ほぼ一緒だけど・・・この焼きプリン美味しいわね♪(←好物) J さて、今回は中国入国のとき検疫に提出していた「健康カード」がなくなりました。 機内での入国審査用紙の準備が少し楽になりましたね。 S もともとインフルエンザ対策だったもの。・・・・でも何かあったらまた復活するわよ。すぐに。 |
![]() 空港でみかけた「パンダジェット」 パンダ ??? ・・・・やっぱりシャチだわ。。 |
![]() 杭州到着 西湖です |
![]() ほとりは公園化されていてとても綺麗♪ |
古代遺跡めぐり@ 良渚(りょうしょ)遺跡 ![]() ![]() ![]() J こちらは杭州の西郊外にある良渚遺跡の博物館です。 約BC3000〜2000年前の遺跡で、約2kmにもわたる巨大な城壁を持つ大宮殿もありました。 その城壁はなんと高さ約5メートル・幅が50メートルもあったんですよ。 S 50メートル競走の距離が城壁の「幅」なんですものね。 信じられないくらいの大きさだわ。 J はい。 ここには原寸大の当時の生活風景の模型や、 遺跡全土を再現した精巧な鳥瞰ジオラマなどもあって圧巻です。 P あ、これ可愛い♪ たらこくちびるがセクシー(笑) ![]() ![]() J 「ぎょくそう」というんですが(嗚呼、漢字が表記できません)、当時の祭器ですね。 真ん中は円、外は方形という独特のデザインをしています。 これは腕輪ぐらいの大きさですけど、大きいものでは50センチくらいの高さのものもありますよ。 かたい玉を金属製の道具もない時代にどうやって精巧な細工をしたのかが今も謎なんです。 S 実際の城壁跡も見に行きましょうか。 ![]() ![]() J 分かりますでしょうか? E ようは、この奥行きが城壁の「幅」っていうことだヨネ。今の西安の城壁とも匹敵しそうだネ。 J ええ。想像図もありますが、この基盤の上にすごい量の盛り土をして、 2キロ四方の城壁を作り、さらに周りを堀で埋めていたということなんですよ。 紀元前の3000年前にね。 P 日本じゃ考えられないわ。 中国の人って、基本的にまちや城を完全に囲う文化よね。よっぽど敵が恐かったのかしら? S さあ、どうかしらね。 敵への防御ももちろんだけど、大洪水とかの自然への脅威もあったからかもしれないわよ。 |
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2日目 5/7 晴れ 杭州(こうしゅう)から 寧波(ねいは)へ
古代遺跡めぐりA 上林湖青磁窯遺址
だからこういう大自然をバックに写真を撮るには最高のロケ地かもしれませんね。 E ところで、ここの遺跡ってナニ? J 「青磁のかまあと遺跡」ですよ。 唐代の頃、最高級とされた究極の青磁 「秘色青磁」が焼かれた場所なんです。 P 唐って・・・・・長安の都からここの場所ってすっごく遠いんだけど・・・ S そうね。確かに黄河も長江も越えた南の地よね。・・西安の法門寺の発掘で明らかになったんだけど、それまでずっと文献にあった「秘色青磁」ってどういうものかがわからなかったそうなのよ。幻とされていた青磁が発掘されてはじめてその色がわかったんですって。で、調べてみると、ここ上林湖の窯で焼かれたとものだということが分かったそうよ。 E へぇ〜。これがその青磁? うすい・・・玉みたいな艶のあわい緑色なんダネ。 |
![]() 水面の風をきっていく舟にご機嫌♪ |
![]() 上林湖青磁窯遺址 |
![]() これが 唐代に宮廷でもてはやされた「秘色青磁」 |
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遺跡の現場は湖の対岸。 文物管理局の舟に乗って でしか到着できません。 誰もいない湖を行くのは快感で 杭州の西湖の遊覧より 気持ちよかったです♪ |
J 次はお米のルーツ、7,000年前の世界へタイムトリップいたしましょう。 稲作文化の最古の遺跡群で有名な河姆渡(かぼと)遺跡 と 田螺山(でんらざん)遺跡です。 慈渓市の南隣の、余姚(よよう)市にあります。 S よくみて、これ豚さんなのよ。 当時すでに豚や犬、水牛も飼育していた畜産の証明ですって。
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![]() ただいま度派手に宣伝展開中! 日本からやってきた! もうすぐ OPEN 「ミスタードーナッツ」♪ |
![]() 実は右端に 「日本を越えての高級カツラ」 と日本語で書かれてあります(汗) |
![]() 映画館看板。アイアンマン2ですね。 |
![]() ・・・いえ、なんかね、日本語が微妙で。 ホテルの風呂にあったので(苦笑)。 |
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3日目 5/8 晴れのち雨 寧波 仏教聖地・普陀山へ
J 今日は海を渡って舟山列島の東の小島 「普陀山」へ参ります。 山と言ってはいますが、実際は海に浮かぶ「島」のことで、この島を丸ごと 普陀山 と申します。 S 中国4大仏教聖地の一つで観音菩薩の霊場なのよ。 J はい。海の神様で、東に航海する人はみんな、つまりは『遣唐使たち』もですね。 必ずここで航海の安全を祈って帰国の途についたそうですよ。 P 逆に日本からの渡航者が一番最初に到着する中国の島でもあるのでしょう? S ええ。だから荒波を越えてきた昔の人たちは、ここに到着したら一安心だったことでしょうね。 J 普陀山は日本ととても深い関係があるんですよ。平安時代、五台山に留学していた日本の留学僧が帰国の際、ここで嵐にあって足止めとなってしまったそうです。そのとき、無事に帰国できるよう彼が五台山から持ってきていた観音像をここに祀ってみたところ、嵐が止んだと伝えられています。また嵐がおこったのは観音様がどうしても中国から離れたくなかったのだという説話もあるんですよ。いまもその観音を祭った観音洞はお参りする人が絶えません。
![]() P 快速船ですごく快適に普陀山到着♪ ん?! ← きゃ〜!! お坊様、何まじまじ見てるの〜!!。 は、早まっちゃだめよ〜〜っっ!! J ・・・飛び込み自殺禁止、・・・指燃やし禁止・・すごい石碑ですね。 S 信仰の行き過ぎで、そんな行為をする人多かったってことね(汗)
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![]() リーン・・・ コーン・・・ E ・・・・・綺麗な音がすると思ったら、教会ダヨ!鐘の音だったんダ 行ってみようヨ♪ S 随分、風格のある建築ねぇ。 J そうですね。寧波には古い建築も結構沢山残っているんですよ。 かつては「明州」と呼ばれて、貿易港として広く知られていた町ですから。
P 寧波ってしっとりしていて綺麗なまちよね。緑が多くて、大きな川に挟まれて・・・ あ、この風景、なんとなく大阪の北区にも似てる気がするわ。 S そうねぇ。水の都だもの。大阪ミナミみたいな、こってこての看板はないけどね。(くすっ) E うーん、いいネ。この古いものと新しいものが混じった雰囲気、僕大好きダヨ。
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4日目 5/9 小雨 寧波郊外・名所観光
![]() ![]() ![]() 天童寺全景 と 道元禅師の肖像 |
![]() ![]() 【今回一押しのお気に入り 田舎料理♪】 左 丸ごとジャガイモを押しつぶしてじっくり焼き上げたもの。外はカリッ中はもっちりの歯ごたえが最高の一品。 右 やたらとご飯がすすむ菜っ葉の炒め物に、野菜たっぷりのカリカリ春巻き♪ なんでこんなに美味しいの?? |
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S 紐や装身具の彫刻がすごく細かくてリアルね。 J 菊の文様があるのは高官クラスなのだ そうですよ。 ![]() P あ、あった! 腕輪の所! ←これでしょう? |
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J ああ、ありました。この狛犬が特に注目のものなんです。 どこかで見たことありませんか? P どこかでって・・・全然見当もつかないわ。 J 奈良の東大寺南大門の石獅子とそっくりで、 なんと石材も同質なんだそうです。 P 奈良の東大寺? J はい。東大寺の文献によれば、南大門の石獅子は 中国から石材を求め、宋人の石工に作らせたとあるので、 何か関係があるんじゃないだろうかと。 S 同じ時代の、同じ石の、同じデザイン・・・それは共通項ありすぎね。 E 兄弟獅子かもしれないネ。今度奈良に行ったら、良く見てこようヨ。 |
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5日目 5/10 晴れ 寧波 から 紹興 へ
![]() ![]() S すごい蔵書量・・・ これが天下に名高い「南国書城」なのね。 うわ〜!! 宋版、明版・・・これ全部本物?? J 結構 無造作に置かれているんですねぇ。 ここにしかない一点物の貴重な書籍もあるそうですが こんなにどっさりあると何がなにやら・・・・(苦笑) P 研究者にとっては宝の山なんでしょう? J ええ。そうですよ。歴史の国としては国宝でしょう。
![]() E お土産やさんにアッタ。 文官らしくてイイダロ? P ジャストサイズすぎよぉ〜っっ(涙目) S 本当にぴったりねぇ。恐いくらい(苦笑) E ということで、ココの撮影会はこれでヨロシク♪ J かしこまりました。エドワードお大臣様。(くすくす) |
![]() ![]() ![]() E 水の流れる音がのどかでイイネ。 わ、おんどりさんが歩いてる! J 寧波から南へ1時間30分ぐらいのところにある「前童古鎮」です。 700年ほどの歴史があって、昔ながらの家並みが続く江南の伝統的なまちなんですよ。 白い壁と黒い瓦、それと飾り窓がとても風情があって、時代劇でもよくロケで使われるそうです。 P 飾り窓発見! あ、こっちは入り口の壁が彫刻されてるわ! ![]() ![]() ![]() S ここの住民「童」っていう苗字の人が多いんですって。 木彫りや石彫り、レンガ彫りが得意で、「五匠の郷」といわれているそうよ。 J 今では1万人を越える人口のまちになっています。 路地がいりくんで、まち全体が迷路のようですから、迷子にならないように気をつけて下さいね。 ![]() なんていうか、こう歩いてるとツボ押されてる気がしない? E うん、足の裏がマッサージされてるみたいだ。 J 卵石っていう石で舗装されているそうですよ。 ここで暮らすと足ツボがよく押されてご長寿まちがいなしだとか。(笑) S なるほどねぇ。確かに血行がすごく良くなった気がするわ(微笑) |
P 紹興も相当古いまちよね。こちらは水郷の町並みだわ。 J はい。春秋戦国時代の越国の都ですので歴史はとても古いですよ。 まずは越王台に登って。それから・・・お夕食にいたしましょうか。
S やっぱり紹興といえば紹興酒よね♪ E うん♪本場に来たナラ、ここならではの絶品が味わいたいナァ。 J あまりすきっ腹にお酒はいけませんよ。 S だからちゃんとお料理も沢山いただくじゃない。で、おすすめは? J では、作られる本数の非常に少ない手作り紹興酒とまいりましょうか。 それも熟成のまろやかな25年もののお品で。 P わーい。じゃあそれ、ジャック兄さまのおごりね♪ J はいはい。1本ご馳走いたしますよ。 S 円高でよかったわね〜(笑)
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6日目(最終日) 5/11 晴れ 紹興 ⇒ 帰国
J お疲れ様でした。 いよいよご帰国ですが、楽しかったですか? P かなりマニア(?)な歴史探訪ツアーだったから見学先はハードだったかな。 でも、なかなか拝見できないものも見せていただけて貴重だったわね。 S 遣唐使の気分も満喫できて満足よ。 やっぱり寧波に3日も滞在できたのは珍しいものね。 ![]() E ボクは水と緑が綺麗だったのがとても印象的だったヨ。 中国って、水質がいいところって実はナカナカないからネ。 S そうよね〜。水問題は中国では深刻よ。 寧波に緑なす透明な湖が多いっていうことは知らなかったもの。 いいところだったわよね。 J ではそろそろ搭乗しましょうか。忘れ物はないですね? 日本は少し寒いそうですから気をつけて下さい。 S・P・E はーい。 じゃ、またね。再見(サイチェン)♪
![]() 【おまけ】 上海上空を飛行中、現在建築中の東海大橋が見えました。 ・・・・・本当に杭州湾をぶっちぎって、一直線に 繋げているのにはたまげましてございます。 近いうちに、上海と普陀山もつながって車で行けるように なるのかも・・・ 出来上がったら世界最長は間違いないですね。 それと、中国沿岸の海は「まっ茶色」です。 大量の土砂が大河によって押し流されているんですけど、 それだけじゃないものも流れている可能性は大ではない でしょうか???う〜〜ん・・・。 |
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Photograph by Subalu Tukishilo |